経済産業委員会で6日、キャッシュレス・ポイント還元制度について質問しました。この制度は、消費税増税に伴って導入された消費者還元事業で、2019年10月から2020年6月までの間、クレジットカードや電子マネーでの決済でポイントが還元されるというものです。

安倍総理は、「この制度の導入によって、約4割の中小事業者が売上げに効果があったと回答した」と発言していますが、店舗によっては、キャッシュレス決済サービスの導入で決済事業者に支払う加盟店手数料が発生し、今までよりも収入が落ちているという声が上がっています。このことについて梶山経産大臣に問い質したところ、大臣は、「手数料は3.25%を上限に補助をしている。制度が終わった後どうするんだという話もあるが、競争が起きて低い手数料になっている決済業者もいるので、いいところもあるし悪いところもある」と答弁。

地元を歩いている中で、多くの事業者から「手数料で売上がマイナスになっている」という悲鳴が上がっているといことを、政府には認識してもらいたいと指摘しました。

続いて、制度に参加している店舗数とキャッシュレスサービスごとの参加店舗数について質問しました。経産省からは、「3月1日時点で、対象の200万店舗中、参加店舗数は104万店舗。交通系電子マネーの対象店舗が約30万店、nanacoの対象店舗が約10万店、ペイペイが約40万店」との説明がありました。

キャッシュレス決済については、使える人と使えない人で大きな差がでるのではないかという議論があった際に、世耕経産大臣(当時)は、「多様な選択肢があるため、使えないということは起こらない」と述べていました。しかし、キャッシュレス決済可能店舗を検索するアプリで確認したところ、一種類のカードしか持っていない場合、使える店舗が極端に少ないということが判明しました。この点について経産省は、「例えば、WAON、ある地域では少ないという偏りがあるのは事実。しかし、クレジットカードはほとんどのお店で使えるので、世耕大臣の答弁は間違いではない」と答えました。

安倍総理は、「ポイント還元事業の開始後、週一回以上キャッシュレスを利用している高齢者が、60歳代では7割以上、70歳代以上では6割以上」と発言しています。しかし、実際に地域を回って100人程度にキャッシュレスの利用状況を聞いたところ、「使っている」と答えた人は1割もいませんでした。

キャッシュレス化の社会を実現するには、現状の問題を踏まえて、キャッシュレスが使えないところをいかに使えるようにするか知恵を出していく必要があります。また、新型コロナウイルスで苦しんでいる商店街の方々を救えるよう、経営が厳しい店舗については加盟店手数料をゼロにするなど、コロナ対策の施策としても取り組むべきです。

配布資料(2020年3月6日)
経済産業委員会議事録(2020年3月6日)