経済産業委員会で8日、 東京電力による東海第二原発の資金支援について、梶山経産大臣や東京電力などに質問しました。
報道によると、東京電力は 10月28日、 東海第二原発の再稼働に必要な安全対策の工事費用として、 日本原子力発電(日本原電)に対して、約2200億円を支援することを決定しました。工事費の総額と資金支援の総額がどの程度か東京電力に尋ねたところ、文挾 (ふばさみ)副社長は「(工事費は)回答する立場にはない。(資金支援の額は)契約にかかわる事項のため回答は差し控えたい」と答弁し、具体的な数字は明らかにしませんでした。
東海第二原発については、周辺に立地している自治体が賛成しなければ、日本原電は再稼働することはできず、仮に周辺自治体が数十年間賛成しないということになれば、資金が焦げ付く可能性も出てきます。その点について質したところ、経産省は「東電として状況を踏まえて適切に判断をしていく」と答弁。文挾副社長は「ある程度のリスクを勘案した上で、東海第二からの受電は卸電力市場から調達する場合と比べて差益効果があると判断している」と答え、議論はかみ合いませんでした。
また、東京電力の再建計画である「新々・総合特別事業計画」において、東海第二原発への資金支援のことが書かれていないことを指摘したところ、梶山経産大臣は「東京電力からは、競争しながら稼いで、そして福島への責任を果たしていく必要がある中で、東海第二は競争電源であると判断をしたと聞いている」と答弁。新々総特という事業計画があるにもかかわらず、そのルールに従わずに今回の資金支援を決定したことは、非常に大きな問題です。
そもそも東京電力は、福島第一原発事故によって苦しんでいる方々が今でもたくさんいる中で、福島を第一に考えて、復興・賠償をしっかりやっていくために存続しているというのが今の状況です。東海第二原発への資金支援が本当に福島のためになっているのかどうかということが、全く明らかになっていません。国と東京電力は、福島の方々、国民の方々が納得するよう説明すべきです。
配布資料(2019年11月8日)
経済産業委員会議事録(2019年11月8日)
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