経済産業委員会で15日、原子力規制委員会が日本原燃の六ケ所再処理工場の新基準適合を了承したことについて質問しました。

原発の使用済み燃料を再処理する六ケ所再処理工場は、1993年に着工しましたが、トラブルなどが頻発したことで完成時期が24回延期され、建設費は当初の4倍の約2.9兆円に膨らんでいます。

質疑ではまず、再処理工場がフル稼働した場合、大気中に放出される放射性希ガスの量について、九州電力の川内原発と比べてどの程度になるかを質問。資源エネルギー庁は、「六ケ所再処理工場が年間800トンの使用済み燃料を再処理した場合、放射性希ガスの推定大気放出量は約33京ベクレルとなり、川内原発から放出される放射性希ガス8億1千万ベクレルの約4億倍になる」と答弁し、けた違いの放射性物質が大気中に放出されるという認識を示しました。

次に、海洋に出るトリチウムは最大で何ベクレルかを質問。資源エネルギー庁は、「六ケ所再処理工場のトリチウムの推定海洋放出量は約1京8千兆ベクレルであり、平成29年度に川内原発が海洋中に放出したトリチウム46兆ベクレルの約391倍となる」と述べ、原発よりもはるかに多い放射性物質が海洋に放出されるという見解を示しました。

続いて、大量の放射性物質が自然界に出ることについて、周辺自治体にはどのように説明するのかを問い質したところ、槇原経産副大臣は、「日本原燃においては、六ケ所再処理工場の安全確保に万全を期すとともに、地元の皆様の理解を得るよう説明責任を果たしてもらいたい」と答弁しました。

地域住民への説明については、使用済燃料再処理機構が委託先の日本原燃以上にしっかりと対応すべきと指摘したところ、資源エネルギー庁は、「日本原燃が事業実施主体として説明責任を果たすのはもちろんのこと、機構も正しい情報を発信し、地元と国民の理解を得ていくことが必要であり、機構を指導していきたい」と述べました。

質疑の最後に、新型コロナウイルスで緊急事態宣言が発令されているにもかかわらず、なぜこの時期に今回の案件を進めたのかについて質問。原子力規制委員会の更田委員長は、「審査書案が整ったのであれば、いたずらに遅らせることなく、議論や判断を行うことは行政機関の責務であるため、手続きを進めた。パブリックコメントの意見のほとんどはEメールやFAXなので、30日間という期間を考えると、緊急事態宣言下でも大きな影響はない」と答弁。

しかし、命を守るために国民の権利や人権が抑制されている最中にパブリックコメントを行うのは適当ではなく、せめて緊急事態宣言が解除されてから行うべきです。この時期に世論が割れるような議論は持ち出すべきではないということを指摘し、質疑を終えました。

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