16日の原子力問題調査特別委員会で、これまでも取り上げてきた六ケ所再処理工場などについて質問しました。

最初に牧原経済産業副大臣に対し、核燃料サイクルのコストに関する本委員会でのこれまでの議論をもとに、「六ケ所の再処理工場を動かしていく上で、国民の負担が増え、電気料金が上がることになるのに、なぜ動かす必要があるのか」と再度説明を求めました。

副大臣からは、「キロワットアワー当たりのコスト差が0.5円高くなることは事実である。しかし、核燃料サイクルによって、高レベル放射性廃棄物の量を4分の1に減らし、最終処分場の面積を減少させられる。また、有害度が天然ウラン並みに低減するまでに要する期間を10万年から8千年に短縮できる。使用済み核燃料を再利用して1割から2割の燃料をつくることが可能となり、総合的に勘案すれば、コストを上回るメリットがある」との答弁がなされました。

しかし、再処理をすることによって、海洋と大気に放射性物質を大量に放出するという都合の悪い事実には敢えて触れずじまいです。また、高レベル放射性廃棄物の量が4分の1になるというのも不正確です。

第二再処理工場の現状と竣工予定についての問いについては、村瀬政府参考人から「六ケ所再処理工場の操業終了後に必要となる再処理のあり方について、具体的に定まった方針はない」との答弁がなされました。そこで、「多くの放射性物質を放出し、価格は上がり、高レベル放射性廃棄物は増えるという何のメリットもないのであれば、第二再処理工場の目途が立つまでは、六ケ所再処理工場を稼働させるべきではない」と政府に対して提案し、検討を促しました。

日本が保有するプルトニウムの使用量等についても政府を質しました。政府からは、「2018年の最新の数値では、約1.5トンが消費されている。海外にあるプルトニウムの量は、イギリスに約21.2トン、フランスに約15.5トンで、計36.7トン存在している」との回答がありました。これに対し、「これからどれだけプルサーマルの原発を再稼働できるか分からないが、海外にある24年分のプルトニウムを全部使い切るまで、六ケ所再処理工場を動かす必要はない」と主張しました。

さらに、「六ケ所再処理工場の稼働計画が出される時には、プルトニウムの削減計画も国民に分かりやすく示すべきだ」と提案しました。牧原副大臣からは、「エネルギー基本計画において、利用目的のないプルトニウムは持たないという原則は堅持する。六ケ所再処理工場が竣工するまでに、新たなプルトニウム利用計画を策定し公表する」との答弁がありました。

最後に、「六ケ所の再処理工場を稼働させるメリットをしっかり示すべき。それを示すことが出来ないのであれば動かすべきではない」と指摘。さらに、「伊方原発は火山灰の問題で止まっている。高浜3号機と4号機は関西電力の金品授受の問題がある。東海第二原発は周辺自治体の了解が得られるのか非常に不透明。敦賀原発は断層データの書き換えで問題になっている。(原子力政策について)多くの問題がある中で、計画通りにいくのか、しっかりと議論していただきたい」と主張し、質問を終えました。

配布資料(2020年6月16日)
原子力問題調査特別委員会議事録(2020年6月16日)
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