4月28日に開催された経済産業委員会(一般質疑)で、「電力システム改革」について質問を行いました。

昨年、初の容量市場*のオークションが実施されました。この容量市場について、「古い石炭火力や原発を温存させる制度になるのではないか」と指摘した上で、「昨年のオークションの約定総額はいくらで、誰が支払うことになっているのか」と質問しました。

政府参考人は、「容量市場は全ての電気事業者が会員となっている電力広域的運営推進機関が主催するオークション。広域機関が全国で4年後に必要とされる供給力の容量等を定めた上で、発電事業者等が電源ごとに4年後に稼働できる容量と必要な価格を決めて応札する仕組みとなっている。昨年7月のオークションの約定総額は1兆5987億円で、小売電気事業者及び一般送配電事業者が支払うことになっている」と答弁しました。

次に、「電力システム改革の中、この1兆6000億円が小売事業者、国民、消費者にかかってくることを認識する必要がある」と指摘しました。そして、「100万キロワットの古い石炭火力のオークションでの収入はいくらか。」「減価償却が終了している100万キロワット規模の石炭火力の年間維持費はいくらか。」等について政府を質しました。

梶山経産大臣からは、「非効率な石炭火力発電についてはフェードアウトすると宣言している。10年を超えたもの、減価償却を終えたものについて、フェードアウトする仕組みを取り入れていく」との答弁がありました。

また、「スポット市場における価格高騰の原因」「長期高騰は海外市場でも起こっているのか」「発電事業者の今年1月と昨年11月の収入額」「新電力の今年1月と昨年11月の支払額」などについて質問しました。

政府からは、「スポット市場価格の高騰は、売り入札の減少による売り切れ状態が継続する中、高値で入札されたことによる上昇と認識している。新電力小売は11月で500億円、今年の1月は5590億円に拡大している」との回答がありました。新電力の支払いが10倍になり、このつけがどこに回るのかは大きな問題です。

さらに、「関西電力が売り入札できなかった理由は、原発が停止していたからではないのか」と問いただしました。政府は、「関西電力は供給力として、11月の原発再稼働を含めて、稼働予定の発電所が動いている前提で計画を組んでおり、必要な燃料も準備していたと思う。石炭火力のトラブルによって、西日本全体の供給力が足りなかったことが基本的な原因」と述べました。

最後に、「我々は原発ゼロを目指している。原発が足を引っ張ってLNGの供給が止まり、売り入札が下がり、新電力が10倍以上のお金を支払わなければならない事実がないのか、しっかりと検証すべき」と提案し、質問を終えました。

*容量市場とは、従来の卸売電力市場で取引されている電力量(kWh)ではなく、将来の供給力(kW)を取引する市場。日本では、将来にわたる供給力を効率的に確保する仕組みとして、発電所等の供給力を金銭価値化し、多様な発電事業者等が市場に参加することができる容量市場が2020年に創設された。