児童虐待ゼロを目指して

 千葉県野田市で虐待により小学4年生の尊い命が奪われました。心愛ちゃんはSOSを発していましたが、大人が助けてあげることができませんでした。とても心が痛みます。
 立憲民主党は昨年6月に「児童相談所緊急強化法案」を、野党五党一会派で国会に提出しました。児童福祉司を即急に増やすなど、児童相談所を充実させる内容です。学校、児童相談所、警察等がしっかりと連携して、全ての子ども達の命が守られるようにしなければなりません。
 心愛ちゃんの命を守ることができずとても残念です。昨年3月には目黒で五歳の結愛ちゃんの命が奪われ、大きな社会問題となったばかりでした。1年も経たず、なぜまた同じことが繰り返されるのか?実は報道されていないだけで、年間80人前後の子どもが虐待で命を落としているのです。抜本的な対策が必要です。
 児童相談所(児相)での相談対応件数は年々増加しており、職員の雇用が追いついていません。平成29年度の全国210ヵ所の児相が受けた相談対応件数は13万件であり、10年前の3倍以上です。千葉県は約8000件で、東京、大阪、埼玉に次いで件数が多い状態です。
 平成30年4月の全国の児童福祉司の数は3426人です。一人の児童福祉司が約40人の子どもを担当している計算になります。千葉県は約57人で、かなり厳しい状況です。
 2006年より中核市も児相を作ることができるようになりました。船橋市と柏市は以前より整備の意向を示しています。しかし、国の協力が乏しく、実現していません。しっかりと国にも動いてもらい、一刻も早い整備ができるように取り組みます。
 政府は「児童虐待防止対策体制総合強化プラン」を作り、取り組んでいます。今年度、児童福祉司を1070人、児童心理司を260人増やす計画です。2022年には児童福祉司は5260人となるように計画しています。計画通りしっかりと取り組んで行く必要があります。
 児童福祉司の数を増やすとともに、児童福祉司がスキルアップできる環境を整える必要があります。今は都道府県の通常の人事ローテーションに沿って配置転換が行われ、多くの職員が3年程度で他部署へ異動となります。担当が経験不足で対応が不十分だったとの声をしばしば聞きます。
 この他、一時保護所や里親制度の充実、虐待をする親のカウンセリングなど、やらなければならない課題は山積みです。
 安倍政権は補正予算のうち3100億円をF35戦闘機などの購入にあてることを決めています。戦闘機の配備は補正予算で対応することではありません。こういったお金を子ども達のために使うべきではないでしょうか。

2019年2月24日号「子ども達の命を守り抜くために」