特に力を入れて取り組んだもの

・ 大学入試共通テスト
・ 在職老齢年金
・ 教員の働き方改革
・ 消費税・軽減税率
・ ホルムズ海峡への自衛隊派遣
・ 日米FTA
・ エネルギー問題

 第200回臨時国会が閉会しました。我が党は四十日間の国会延長を求めましたが、自民党の反対で叶いませんでした。「桜を見る会」の追及もありますが、キャッシュレス・ポイント還元のことや、ジャパンディスプレイを含む産業革新機構の問題など、議論すべきことは山積みでした。また、エネルギー関連法案など、わが党が出している議員立法がいくつも塩漬けにされています。
 今国会では27の決議を行い、わが党が反対したのは日米FTA関連と教員の働き方改革法案の三つです。約九割の法案に賛成したことになります。よく野党は反対ばかりしていると批判されますが、明らかに意見が異なるもの以外は賛成しています。
 長期政権は必ず腐敗しますが、まさにその典型的な国会でした。一週間で二人の大臣が辞任しました。共に「金まみれ」が理由です。突然の大臣辞任で委員会が開かれず、重要な審議が先送りとなりました。安倍首相は野党の追及に対して「政治活動については、一人一人の政治家が自ら襟を正し、説明責任を果たすべきだ」と答弁しました。しかし、大臣辞任後、きちんとした説明はされていません。結局、辞任によってうやむやにしただけです。
 「桜を見る会」が問題となりました。昭和27年から続いている伝統ある行事で、「各界において功績、功労のあった方々を招き日頃の労苦を慰労するため」のものです。これが安倍政権になってから、自分の後援会の人を特別に招待する会となってしまいました。何千万円もの税金が、予算を大きくオーバーして、飲み食い代に使われてしまったのです。反社会勢力が招待されていたことや行政文書が不適切に破棄されたことなども指摘されています。
 ある会で田原総一朗氏が「こんなひどい政権は見たことがない。野党がもっとしっかりしなければならない」との趣旨の発言をされていました。消費税増税など国民に負担をお願いしている中で、このような税金の使い方を許してはなりません。

■ 在職老齢年金の問題とは?

1%の高所得者の年金を上げて、99%の国民の年金を下げるの?

 安倍政権は全世代型社会保障改革の目玉として、在職老齢年金制度の見直しを進めていました。これは、1%の高所得者の年金を上げる一方で、99%の大多数の国民の年金を下げるというものでした。
 今のルールでは、月に417万円以上の収入のある高齢者の年金は減額されます。この人たちにもしっかりと年金を払わなければ労働意欲が削がれてしまう、というのが安倍政権の説明でした。しかし、検討会議の中で中西経団連会長はそれとは反対の発言をされたそうです。そして、その発言が何故か会議録から消えてしまいました。またもや隠ぺいです。
 我々の厳しい追及があり、安倍政権はこの見直しを断念しました。 「桜を見る会」であのようなずさんな税金の使い方をしている中で、節約して生活を送っている方々の年金を簡単に削減することなど許されません。わが党は、安心して老後が過ごせるように、基礎年金へのマクロ経済スライドの適応見直しや総合合算制度など検討しています。詳細は改めてレポートします。

■ 山口県にある上関原発の問題とは?

原発の新増設を想定していないのに、なぜボーリング調査が開始され、電源立地交付金が出るのか?

 安倍首相は繰り返し「原発の新増設については、現時点では想定していない」と答弁しています。しかし、なぜか新設にあたる上関原発のボーリング調査が開始されているのです。
 上関原発とは山口県上関町に建設予定の原発で、今はまだ何も建物はありません(写真)。2005五年に開発地点に指定されましたが、福島第一原発事故があって、計画は進んでいません。
 中国電力は今年6月、海を埋め立てるための許可の延長を山口県に申請しました。これを山口県は許可しました。なぜ山口県が許可したかというと、国がこの場所を重要電源開発地点に今も指定しているからです。
 重要電源開発地点の指定は法律に基づいていますが、経産大臣がこれを解除できます。解除の要件として、例えば「計画の具体化が確実な電源」でない場合が上げられます。国は新設をしないと言っているのですから、経産大臣は指定を解除すべきではないでしょうか?大臣に質問しても、理解不能な回答しか返ってきません。
 この上関町には毎年、電源立地交付金が約八千万円出ています。元は私たち国民のお金です。なぜ、新設しないと言っているのにお金が流れるのか、おかしいと思いませんか?安倍首相の地元である山口県だけ特別なのでしょうか?

2019年12月10日号「臨時国会を終えて」