1月22日から通常国会が始まりました。予算審議と共に、働き方改革の法制化や憲法改正の国民投票発議など、重要事項が議論されています。

■働き方改革
 電通の高橋まつりさんの事件をきっかけに、長時間労働に上限規制と罰則を導入する方向で議論が進んでいます。しかし、政府案では残業が月百時間まで許される内容となっており、修正が必要です(過労死ラインは月80時間)。 また、安倍政権は「多様で柔軟な働き方」ができるようにと裁量労働を増やそうとしています。安倍首相は一般労働者よりも裁量労働者の方が勤務時間が短いという説明をし、この制度の正当性を主張していました。しかし、野党の追及により、その元となっているデータに問題があることがわかり、逆に裁量労働者の方が長時間働いている実態が明らかとなってきました。このままでは更に過労死が増える可能性があります。しっかりと働く人の立場に立って議論していきます。

■森友学園の問題
 当時責任者であった財務省の佐川理財局長は面会記録は「破棄した」と繰り返し国会で答弁してきましたが、今頃になって分厚い資料が出てきました。また、佐川氏は事前の価格提示はなかったと説明していましたが、それも行っていたことがわかりました。財務省は「金額」の提示はあったが「価格」の提示はなかったと釈明していますが、そのような説明がまかり通るのでしょうか?このような虚偽に近い発言をしていた人が国税庁長官に栄転しました。安倍首相は適材適所の人事配置と言っていますが、皆さんはどう思われますか?

■生活保護基準の引き下げ
 日本の母子家庭の半分は貧困状態と言われており、先進国の中でも飛び抜けて劣悪な状況です。それにもかかわらず、多くの母子家庭で給付額が下がる予定です。
この基準を決めるのに平成26年の全国消費実態調査の結果が用いられていますが、この年は消費税アップの影響で消費が冷え込んでいた年です。このような年のデータを基準にして、消費が減っているから生活保護基準を下げるというロジックは正しいのでしょうか?

■長距離巡航ミサイル
 昨年12月の特別国会最終日に突然、小野寺防衛大臣が長距離巡航ミサイルの購入を発表しました。なぜ最終日なのか?国会で追及されないように意図的にそうしたとしか思えません。このような国会軽視の行動は許されることではありません。
 これまで日本政府は、大陸間弾道ミサイルや長距離戦略爆撃機などは 「自衛のための必要最小限度の範囲を超える」 として保有を認めてきませんでした。しかし、今回の長距離巡航ミサイルは戦闘機F15に搭載し900キロメートル先まで飛ぶものです。北朝鮮のミサイル攻撃に対応するイージス艦を守るために必要だと政府は説明していますが、本当にこれほど遠くまで飛ぶものが必要なのでしょうか?日本海から発射した場合、北朝鮮全土に届きます。安倍政権は「敵基地攻撃には使わない」と説明していますが、北朝鮮や中国にとっては軍事的プレッシャーと受け止めるのではないでしょうか。経済制裁による「圧力」とは質の異なるものです。
 安倍政権になり日本はどんどんと右傾化しています。今年の防衛費は過去最高の五・二兆円規模です。防衛費を上げて、母子家庭の援助を減らすことは「まっとう政治」でしょうか?しっかりと議論して参ります。

原発ゼロ法案タウンミーティング
 原発ゼロ法案を市民の皆さまと一緒に作り上げたいという思いから、北海道から九州まで全国でタウンミーティングを実施しています。千葉県は鎌ケ谷市、酒々井町、印西市で実施しました。再稼働の問題、プルトニウムの問題、廃棄物の問題、輸出の問題など多くのご意見を頂きました。これらのご意見をしっかりと受けとめて、また、野党6党で法案を提出できるように、法案の内容を変更していきます。詳細はインターネットでご確認ください。
(https://cdp-japan.jp/news/929)

2018年2月20日号「みやかわ伸の国会中継」