県内の立憲民主党の議員有志や支援者とともに28日、全自動PCR検査システムを開発した千葉県松戸市のプレシジョン・システム・サイエンス株式会社(PSS社)を視察しました。

視察の冒頭、PSS社の田島秀二社長から同社の取り組みについての説明を受け、その後、検査システムのデモンストレーションを見学しました。

全自動PCR検査システムは、検体のセットから検査結果出力までを自動化しており、通常は12検体の検査に数時間かかるところ、約160分というスピードで行うことができます。

スピード以外のメリットは、①ヒューマンエラーの回避、②感染・汚染リスクの軽減、③検査技師不足の解消などが挙げられます。特に、多くの検査機関で専門の技術者が不足していることから、自動化は非常に有効であるとのお話がありました。

8月には、8検体検査できる中小規模病院向けのシステムと12検体検査できる中大病院向けのシステムが発売されることになっています。加えて、24検体まで検査できる大病院向けシステムと唾液サンプリングキットも開発中で、これらのシステムの普及が進めば日本の検査体制が拡充され、結果的に検査にかかるコストダウンも進むのではとのお話がありました。

PCR検査については、補正予算10兆円の予備費から2兆円程度を医療に回し、検査の拡充を図るよう国に提案していきます。


カートリッジ試薬を手に持ち熱く語るPSS田島社長


最大5サンプルの同時処理が可能で、プレフィルド試薬と使い捨ての試薬を使用し相互汚染のリスクを排除

【PSS社とは】
1985年松戸市に設立。遺伝子検査やたんぱく質怨嗟の自動化システムや機器などの製造販売を行う。PSS社がOEM供給したフランスのエリテック社ブランドのシステムは、PCR検査で高い成果を上げ、その功績により、駐日フランス大使から同社に対して感謝状が贈られた。

【PCRとは】
Polymerase Chain Reaction(ポリメラーゼ連鎖反応)の略語。ウイルスの遺伝子の一部を大量に複製させ、存在を検知する検査方法。検査プロセスは、①検体の採取、②ウイルス遺伝子(核酸)の抽出、③ウイルス遺伝子の増幅、④増幅産物検出。最も人手を必要とする工程が、ウイルス遺伝子の抽出である。