今、命を救うために政治がやらねばならないこと、それは ❶強い人流抑制 ❷野戦病院型施設の設置 ❸治療薬の有効活用——これらを現政権に対して強く提案しています。法改正を含め、しっかりと議論できるように直ちに臨時国会を開会すべきです!
オリンピック中の感染爆発は、六月に京都大学の西浦教授が指摘していて、何度も国会で取り上げられました。予想できていたのに、きちんと対策しなかった現政権の責任は極めて大きいと指摘せざるを得ません。
内閣官房参与だった高橋洋一氏の投稿「日本はこの程度の『さざ波』。これで五輪中止とかいうと笑笑」が問題となりました。菅総理も海外と比べて日本は軽いから上手く行っているといわんばかりの発言をされています。一人ひとりの尊い命にもっと責任を持つべきです。

❶ もっと強い人流抑制を

 医療崩壊が起こってしまっている今、早急にやらねばならないことは、必要な経済的補償を行いながら、徹底した人流抑制で新規感染者を減らすことです。
 東京の感染状況が落ち着かなければ地方に広がります。パラリンピックは重要な世界の祭典ですが、人流抑制ができないのなら、開催途中でも止めるべきです。
 感染は二週間前の状況を反映すると言われます。オリンピック開催中の気の緩みが、今の状況に結びついていると言えます。パラ開会式当日、ブルーインパルスが上空を舞い、密状態で集まる観客の様子が放映されました。
 パラ選手が活躍できる環境は作るべきですが、国民の気の緩みにつながらないように対策すべきです。

❷ 「野戦病院」型施設を設置する

 自宅療養が自宅放置になっています。柏市では、コロナに感染した妊娠中の女性が入院できず、医師不在のまま自宅で出産。早産で、赤ちゃんは命を落としてしまいました。とても痛ましい出来事です。
 千葉県内で二十五日までに、少なくとも六名が自宅療養中にお亡くなりになりました。病院のコロナ対応ベッドを増やすことは本当にできないのでしょうか?
 例えば、国立病院機構と地域医療機能推進機構という組織があります。千葉県では千葉医療センターや船橋中央病院など六つの病院が含まれます。これらの病院には多額の税金が投入されています。
 機構法第二十一条に「厚労大臣は、公衆衛生上重大な危害が生じた場合、緊急の事態に対処する必要があるときは、機構に対し協力を求めることができる」との趣旨が定められています。千葉県内に一三四八床のベッドがありますがコロナ用に使われているのはたったの六十四床(八月二十日時点)です。
 「大臣から機構に、コロナ患者を受け入れるように要請したのか?」と厚労省に問い合わせたところ「していない」という回答でした。その後、特措法に基づいた要請がなされましたが、もっと早く行うべきでした。
 ホテル等の療養施設に関しても対応が不十分です。メディアなど、オリパラ関係者の多くがホテルを利用していますが、例えばメディアは大会に必須ではないので、コロナ患者を優先すべきです。千葉県はホテル療養用に約一〇〇〇室を用意する必要があります。しかし、一月のコロナ第三波の実質稼働率は、厳しい時でも半分程度でした。これは、想定外の清掃作業などで、部屋が使えなかったためです。あれから半年以上経っていますが、きちんと対応されていません。八月二十五日時点でホテル療養者数は四〇八人、調整中は一六三二人です。
 今からでも遅くはありません、野戦病院型の簡易医療施設を作るべきです。自宅療養で訪問医療するよりもはるかに効率的です。また、家族内感染も減らすことができます。医療関係者にはご負担をおかけしますが、緊急事態なので、お願いするしかありません。もちろんセットで報酬を上げるべきです。

命と暮らしを守る

❸ 治療薬を使う

 ワクチン接種のスピードを速めるとともに、治療薬をしっかりと使う必要があります。
 七月十九日に、軽症から中等症患者用の治療薬として「抗体カクテル」が承認されました。この薬は点滴で投与するので、自宅療養者には使用が難しいです。政府は八月三日に中等症患者の自宅療養を決めましたが、これでは逆に治療薬が使えなくなります。政府に指摘したところ、治療拠点を作ったり、外来で使えるようにするとのことですが、これも対応が遅すぎます。また、どのくらいの薬が利用可能か質問したところ、契約上の問題で「秘密」との回答でした。
 「イベルメクチン」という錠剤の薬に期待する声があります。この薬は別の疾患で既に使われていて、安全性について詳しく調べられています。臨床試験が現在行われていますが、早く結果がでるように、もっと政府が協力すべきです。

議員になる前、RNA医薬の研究開発に取り組む みやかわ伸 画像

2021年8月29日号「コロナ対策 命を救うために」