熊谷俊人千葉市長と衆議院議員の宮川伸が新型コロナウイルス対策について意見交換しました。

【宮川伸】熊谷俊人さんとは2007年の千葉市議会議員選挙の時からのお付き合いです。私は当時、RNA遺伝子の研究をしていました。29歳の政策通が立候補するということで、仕事の合間に応援しました。みごとトップ当選でした。
 その後、当時の千葉市長の汚職事件が発覚し、急きょ選挙に。31歳の若き市長を誕生させようと、市民音楽応援隊に参加して熊谷さんを応援しました。あれから11年、千葉市は本当に魅力あふれる街となりました。素晴らしい実績だと思います。
 今は新型コロナウイルス感染症の対策で千葉市も大変だと思います。感染者が急増して、特に医療のひっ迫は切実な問題です。私も医療従事者への慰労金や病床確保の問題に取り組んでいます。

【熊谷俊人】まずは病床の確保を更に進めることです。「万が一クラスターが起きたら」などの民間病院の不安に応えられる支援制度を構築し、病床を確保する必要があります。
 治療後のコロナ患者が持病等の関係で退院できず、コロナ専用病床がひっ迫している課題を解決するため、真っ先に転院支援協力金制度を作りました。また、クラスターとなった場合の支援金制度も創設しました。
 市内180ヵ所の医療機関と「診療・検査医療機関」の契約を結び、身近な医療機関で診察・検査が可能な体制を構築してきました。
 更に、千葉市では在宅療養の方々にパルスオキシメーターを配布し、健康観察を強化しています。一月の感染者の急増を受け、大幅追加を指示し、基本的には対象者全員に配布できている状況です。今後も健康観察の充実に向けても順次施策を展開していきます。

【宮川伸】PCR検査の充実も重要です。私は「医療機関や福祉施設など感染すると重症者が多発しやすい所は、いつでも無料で検査が受けられるようににすべき」とずっと働きかけてきましたが、現状は厳しい状況です。

【熊谷俊人】千葉市では介護施設などの職員や新規入所者がPCR検査を受ける場合の支援制度を創設しています。
 また、千葉市医師会の協力を得て、県内では先駆けて休日も検査可能なPCR検査センターを立ち上げるなど、医師が必要と判断した場合はスムーズに検査可能な状態を作りました。
 更に、千葉市独自に繁華街に拠点を設置して、ホストクラブなどの接待を伴う飲食店に対してPCR検査ローラー作戦を進めました。県全体で検査体制をもっと広げていく必要があります。

【宮川伸】感染症対策の中心的な役割を保健所が担っていますが、急激な感染拡大で厳しい状況です。保健師さんは昼の業務に加えて、夜の救急対応もあり、相当な負担となっていると聞いています。保健所の強化が必要です。

【熊谷俊人】千葉市は早い段階で、各区の保健師さんを保健所に集中させ、保健所の機能を十分に発揮できるように手を打ちました。
 また、感染者の急増で救急医療体制がひっ迫していることを受け、救急指令業務に長けた消防の調整員さんが保健所に常駐するようにし、救急搬送対応を一元化しました。このような対策が、救急搬送の円滑化と保健所の負担軽減につながりました。

【宮川伸】事業者支援のことや学校対策などについてもお聞きしたかったのですが、また次回お願いできますか?

【熊谷俊人】もちろんです。国と自治体が連携して県民の「命とくらしを守る」必要があります。
 考えている対策は様々ありますが、一番はトップのリーダーシップです。常に先を見据え、先手を打つこと、市民へのメッセージを自分の言葉で伝えることが重要です。

2021年2月10日号「熊谷俊人千葉市長に聞く」