カジノで観光立国?

 1月20日に国会が開会しました。安倍首相は施政方針演説において、観光立国の説明の中で「複合観光施設の整備に取り組みます!」と意気込みました。これはカジノのことでしょうか?
 以前より、外国人観光客はカジノに興味がないことを指摘し続けています。外国人観光客が行かないのに、なぜ観光のためなのか?全く理解できません。
 人の不幸で金儲けするような成長戦略は止めましょう。ノーベル賞を受賞された吉野彰先生の蓄電池や、山中伸弥先生の再生医療など、本当に世の中のためになる技術を使って経済発展していくべきです。

お金を使うのは日本人。ギャンブル依存症になるのは日本人。
では、誰が一番もうけるの?米国それとも中国?

 外国人観光客に対して、IRのどの施設に行ってみたいか、アンケート調査が行われました。商業施設やカジノなど8項目から3項目を選んでもらったところ、カジノに行きたいと答えた人はたったの7%しかいなかったそうです。外国人の多くは日本の伝統や文化を楽しみに来るのではないでしょうか。
 古民家での宿泊や伝統あるお祭りなど、外国人の多様なニーズに直ぐに対応できるような「スマホシステム」を作るなど、工夫できることはたくさんあります。短絡的にカジノで儲けようとするのではなくて、地道にアイデアを出して、日本の素晴らしさを打ち出すべきではないでしょうか。

【誰が儲けるの?】
 外国人がカジノに行かないなら、誰がカジノに行くのでしょうか?日本人です。安倍政権は観光立国のためと言っていますが、お金を使い、ギャンブル依存症になるのは日本人です。
 では、誰が儲けるのでしょうか?日本企業はカジノのノウハウがありません。外国のカジノ企業が参入を狙っているのです。米調査報道専門ニュースサイト「プロパブリカ」によると、トランプ大統領は訪米した安倍首相に対し、カジノ運営大手「ラスベガス・サンズ」の日本参入を働きかけたそうです。そして今、安倍政権はアメリカ企業だけでなく、中国企業とも話をしていたことがわかってきたのです。

【強行採決で成立したカジノ法】
 「誰がお金を使って、誰が儲けるのか」この問題は何度も国会で指摘されました。しかし、安倍政権はきちんとした説明をせずに、強行採決でカジノ法を成立させました。しかも、岡山県や広島県が西日本豪雨災害で苦しんでいる時に、その対応をしなければならない国交大臣が、カジノの審議で国会に缶詰めになっていたのです。
 そもそもなぜカジノ法が必要なのでしょうか?日本の刑法では賭博を禁止しています。カジノを作るためには法律改正する必要があったのです。日本は先進国の中で飛び抜けてギャンブル依存症患者の多い国です。なぜ法律を変えてまで、更に依存症患者を増やすのでしょうか?

【カジノ法廃止に向けて】
 昨年、高校生たちが国会に集まりました。「まじやばい」大学入試共通テストの問題です。「もう何もしない大人には任せられない」と、自ら四万筆もの署名を集めたのです。その結果、英語民間試験と国語・数学の記述試験は見送りとなりました。国民が動けば世の中は変わることを示してくれました。
 人の不幸で金儲けするような、カジノ法は廃止にすべきです。1月20日にカジノ法廃止法案を野党五党で国会に提出しました。成立に向けて全力で取り組みます。皆さんのお力を是非お貸しください。

2020年1月22日号「カジノ法廃止法案を提出」