イスラエル大使との会談

 ギラッド・コーヘン駐日イスラエル大使と11月22日、イスラエル大使館で面会しました。目的は、ガザの子どもたちの命がこれ以上奪われないようにして欲しいことを伝えることで、71人の市民の皆様から預かった「平和のメッセージ」を携えて行きました。また、パレスチナ大使だけでなくイスラエル大使のお考えも平等にお聞きしたいと思いました。私は歴史学者でも国際司法裁判所の裁判官でもないので、イスラエルとパレスチナのどちらが正しいのか判断する立場にはありません。平和憲法を持っている一日本人として、一刻も早い停戦を願い訪問しました。

イスラエルの被害者

 10月7日のハマスの攻撃で多くのイスラエル市民が命を落としました。その残虐さを見て欲しいと、コーヘン大使から映像や写真が示されました。首を切り落とされて血まみれの様子や丸焦げの遺体など、たいへん悲惨なもので本当に心が痛みました。そして、人を人とも思わないような殺し方をするハマスに対する、大使の強い怒りが伝わってきました。「ハマスをせん滅しなければ平和は訪れない。イスラエルの軍事作戦は国際人道法に則っており、攻撃の前に避難を促している。ハマスが人間を盾にしているのだ。イスラエルはガザの31名の乳幼児をエジプトに避難させた。また、我々は以前から食料、水、医療品などをガザに支援してきたが、それをテロに利用しているのはハマスだ」との趣旨のことを強い口調で話されました。

平和のために教育改革を

 また、コーヘン大使はパレスチナ人と共存していくためにはガザの子どもたちへの教育を正すべきと話されました。「例えばガザの算数の授業では、‟Aさんは〇人殺した、Bさんは〇人殺した、合わせて何人殺しましたか?”ということが行われています。イスラエルを倒すことを教えているのです。日本政府がパレスチナの教育支援をするとしたら、人種差別ではなく平和志向の教育をお願いしたい」  大使の強い怒りを前にして、市民から預かった「平和のメッセージ」を受け取ってもらえるか不安でしたが、誠意を込めてお願いし、渡すことができました。その際、私たち日本人は平和憲法を持っており、心より世界の平和を願っていることをお伝えしました。最後に、この戦争で命を落とされた全ての方々に哀悼の誠を捧げるとともに、今なお苦しい立場におられる方々の一刻も早い救済を心よりお祈り申し上げます。

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