5月27日に原子力問題調査特別委員会が開催され、質問に立ちました。

最初に、「福島第一原発の汚染水の問題」について取り上げました。「ALPS(セシウム等の放射性物質を取り除くことのできる多核種除去設備)処理水は飲んでも大丈夫なのか」との問いに対し、江島経産副大臣からは、「処理水のトリチウム濃度は、福島第一原発のサブドレーンからの排出濃度の運用目標である1500Bq/l(ベクレル・パー・リットル)以下で、WHO(世界保健機関)の飲料水水質ガイドラインの7分の1である。トリチウム濃度を基本方針で求める水準まで希釈すれば、ALPS処理水を飲んでも、放射線による健康影響は考えられない」との答弁がありました。

今問題となっている処理水の海洋放出に関して、「海洋放出に関しては、汚染水を増やさないことが重要。現在、140㎥/日の汚染水が出ているが、これをゼロにするためにはどのようなことが考えられるか」と質問。原子力規制委員会の更田委員長は、「止水するためには、元炉心の辺りに水をかけ流ししている状態から、空冷の状態にしなければならない。その際、注水を止めた時に温度がどう変化するかの試験を行っており、慎重にやっていく必要がある。現在、主要な原子炉建屋等を完全に止水することに関しては、技術的なめどが立っているわけではない」との答弁がされました。

次に、JAEA(日本原子力研究開発機構)のウラン廃棄物の問題について訊きました。「人形峠環境技術センターや東濃地科学センターに保管されている濃縮ウランやウラン残土、イオン交換樹脂等の廃棄物は今後どうするのか」と政府に説明を求めたところ、「JAEAとしては、海外の製錬施設に譲り渡し、ウラン燃料として有効利用することも含めて、様々な対応を検討していると聞いている。文部科学省として、海外の製錬事業者に譲り渡すことになれば、関係法令や国際条約等の観点から検討が行われるよう指導監督していく」と三谷文科大臣政務官から答弁がなされました。しかし、受入側の地元住民による反対運動があることも事実であります。

最後に、「放射性レベルがそれほど高くないものであっても、国内で処理が出来なくて、仕方なく海外に持って行くという状況なのに、これから原発を30基動かすのであれば、原子力発電所から出るこれよりはるかに高いレベルの廃棄物の処理についてもセットで議論し、国民に説明していかなければならない」と強く主張し、質問を終えました。