原子力問題調査特別委員会で26日、 日本原電による敦賀原発のデータの書き換えなど、人的要因による問題について質問しました。

質疑ではまず、日本原電が実施した敦賀原発の敷地内の活断層調査について取り上げました。日本原電は2004年、浦底断層の活動性について、活断層ではないと結論付けました。しかし、2008年に開催された原子力安全委員会の検討委員会において、ある委員から、日本原電の解釈には疑義があり、調査が不十分なことから、浦底断層が活断層である可能性は否定できないとの指摘がありました。この問題について原子力規制委員会の更田委員長は「日本原電は追加調査で浦底断層を活断層と認めた。規制委員会としては、敷地内断層について厳格な審査を行っている。人的な要因がどう作用したかについては見解を持っていない」と答弁しました。

続いて、2年前に明らかになった東海第二原発に関するデータの記載ミスの問題について質問しました。これは、燃料有効頂部の位置が本来の値より5センチ低く記載されており、そのことが人的問題によって40年間も放置されていたというものです。更田委員長は「施設の資料の誤りに長期間にわたって気づかず、是正されなかったことは、品質管理の問題として重く捉えてもらいたいと」と述べ、日本原電に対して苦言を呈しました。

また、日本原電が昨年提出した敦賀原発の敷地の地質データの中に、1140カ所の誤りがあった問題についても質問。更田委員長は「審査資料の誤りは審査の内容に影響を与える可能性があるため、何度も間違いが見つかるようでは事業者の品質管理に疑念を生ずる」と指摘しました。

最後に、活断層の有無を判断する上で重要なデータであるボーリング柱状図について、日本原電が18カ所を書き換えていた問題を取り上げました。原子力規制庁は「審査資料のデータが削除・変更されて提出されると、審査の前提が崩れるなど大きな問題が生じる」と答弁。更田委員長も「ひどい話だと思っている。ボーリング柱状図の記載が削除・変更されたということは、審査の根幹にかかわる問題だ」と述べ、日本原電の対応を問題視しました。

他方、日本原電の副社長はこの問題について、「意図的にやっているわけではなく、きちんと見た結果、こうした方がよかろうと思ってやった」と述べていることから、会社全体として書き換えを行ったと考えられます。仮に現場が誤って作成したものをそのまま提出してしまった場合、本来は間違いを認めて説明責任を果たすべきです。しかし、副社長が「こういうやり方もあります」と開き直っているということは、東海第二原発の審査資料も同様な書き換えがあるのではなかいと疑ってしまいます。

日本原電については、今回の質疑で指摘した数々の問題が浮き彫りになっていることから、東海第二原発の安全性の審査についても見直すべきだと考えています。

配布資料(2020年3月26日)
原子力問題調査特別委員会議事録(2020年3月26日)
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